障害者の就職活動の流れは?就職エージェントサービスの活用などのポイントを解説

就職活動の面接中の学生

近年、各企業で障害のある方の採用が積極的に行われています。「障害者採用枠」を設けるなどの取り組みも盛んになっており、障害者枠へ応募するか一般枠を選ぶか迷っている学生も多いのではないでしょうか。
この記事では、障害のある方の就職活動の流れをご説明し、その過程で就職エージェントを活用するポイントなどについてもご紹介します。障害があり、就活中の方、またはこれから就活を予定している方はぜひご参考にしてください。

就職活動の始め方

障害のある方が就活を始めるにあたり、どのような点を重視するとよいのでしょうか。
就職活動を始める際の障害者ならではのポイントとして、一般採用へ応募するか障害者採用枠を選ぶかを検討し判断することが必要な点が挙げられるでしょう。応募にあたる採用枠の選択に関しては、就職活動の最初期段階から検討の上、決めておくことが大切です。

就職活動の流れ

障害のある方の就職活動は、どのような流れで行われているのかを見ていきます。ここでは、障害者の就活の流れを最初期の自己分析から最終段階の内定まで順を追ってご紹介します。

1. 自己分析
まず、ご自身についてあらためて知ることが就活の始まりです。自分の強みや努力が必要なポイント、自認している性格や得意分野・苦手分野、持っているスキルなどを洗い出して分析を行います。

2. 企業研究・求人検索
ご自身の分析ができたら、次は応募先企業についてよく知りましょう。応募先が明確に決まっていなければ、希望職種やはたらきたい業界からの研究を始めます。
就職後ご自身が就く可能性のある仕事の内容や、はたらく上でのメリット・デメリットなどを調べましょう。その上で、ご自身が想定するはたらき方と合っているかどうか照合します。その研究結果を元に、応募したい企業を探してみましょう。

3. 書類作成(履歴書、エントリーシートなど)
応募先企業がある程度定まったら、書類選考に向けて送付する書類を作ります。先の自己分析や業界研究・企業研究でまとめた情報は、このタイミングで役立ちます。
提出期限ぎりぎりになって慌てないよう、余裕を持って書類を完成させます。また履歴書やエントリーシートは、それぞれの応募企業宛てに1通ずつ誠実に書きしるし、同一内容の使いまわしは避けましょう。

4. 応募
書類が完成したら送付し、応募を済ませます。書類選考の結果を待つ間は、面接の準備や対策を行っておきましょう。

5. 面接
書類選考を通過すると、面接に進みます。面接直前までさまざまな準備にあたる方も多いと思いますが、当日過度の緊張を招かないためには、何度も繰り返し練習することが有効でしょう。当日の服装や話し方なども意識し、本番に近い環境で練習することもおすすめです。面接練習を動画に撮って見返すと、改善点を押さえやすいでしょう。

6. 内定
内定が出たら、就業までの期間に必要なものを揃えておいたり、済ませるべき手続きなどを行ったりします。これで就職活動は終了ですが、就業開始まで気を緩めず準備や体調管理に努めましょう。

自己分析をする

自己分析

就活で最初に行うべきこととして、自己分析についてご紹介しました。しかし、「いきなり自分の長所や短所といわれても、どう意識すべきか分からない」と思う方も多いでしょう。そこで、自己分析のポイントや分析時の注意点をご紹介します。

自分は何が好きで何が得意か

ご自身の趣味や特技、好きなことを書き出します。一見はたらくこととは関係なく思えますが、仕事上の得意分野を把握するためにも、ご自身の「好き」や「得意」を理解しておくのは重要なことです。

どんな仕事をしたいのか

好きなことや得意なことが明確になったら、次は仕事に就く上で何に興味を持っていて、どのような仕事をしたいか思い浮かべて書き出してみましょう。

持っているスキルや強みは何か

ご自身で意識できている自分の強みや、持っている資格やスキルを書き出します。これを意識する過程で、もし自分の弱点や努力が必要な点が思い当たったら、それも書いておきましょう。

上記の自己分析は、企業研究や志望職種を決める際に参考になることに加え、応募書類を作る際や面接での回答にも役立ちます。

企業研究・求人検索をする

自己分析ができたら、業界研究や企業研究を行って志望先を絞り込み、求人を探します。ここでは、企業研究では具体的に何を調べるのか、そのポイントや注意点をご紹介します。

活躍できそうな企業はどこか

先に行った自己分析結果を元に、ご自身が活躍できそう・活躍したいと思える企業をピックアップし、各企業に関する情報を集めます。具体的には企業のWebサイトで調べるなどし、ご自身の得意分野ややりたい仕事とマッチするかを確かめてみましょう。

応募したい企業の求人を探す

応募を検討したい企業がある程度定まったら、それらの企業の求人情報を詳細に確認します。雇用条件や勤務形態、応募者に求めるスキルなどを把握し、ご自身の自己分析と照合しましょう。

応募先企業の絞り込み

各企業の求人情報を詳しくチェックし、それらの求人要件がご自身の希望条件に合うかどうか1社ずつ見ていきます。企業ごとに求人条件は異なりますから、複数の企業の条件を比較して自己分析や希望と合うか比較検討しましょう。応募先企業が絞り込めたら、その求人に向けた応募書類を作成します。

履歴書など書類を作成する

企業研究・求人検索が終わったら、実際に応募書類を作っていきます。応募書類には履歴書とエントリーシートなどがありますが、障害のある方の場合は履歴書にご自身の障害について詳細を書いておく必要があります。

ご自身の障害について書く方法

市販されている履歴書のフォーマットには、障害について記載する箇所がありません。短い文で済ませられるようなら、欄外に別枠を設けて書き記すなどの方法を採ってもよいでしょう。しかし、詳細に記載する必要がある場合は履歴書と同サイズの用紙(一般的にはA4用紙)を追加し、そこに漏れなく記載します。

志望動機・自己PR作成時のポイントや注意点

志望動機や自己PR欄の書き方は、障害がある方もそうでない方も基本的に変わりません。これまで経験してきたことやご自身で把握できている自分の長所や強みをアピールできる内容を、しっかり盛り込みます。
また、入社後どのように応募先企業に貢献できるかをできるだけ具体的に書いておくことが大切です。これを記載する際には、事前に行った企業研究が役立つでしょう。

面接対策をする

面接会場に入る就活生

書類を送付し応募できたら、次に控える面接に向けて練習をしましょう。ここでは、面接の練習や面接対策のポイントをご紹介します。

受け答えの練習

面接の本番で受ける質問を予想し、スムーズに回答できるよう口頭で暗唱するなどして練習します。質問内容は就活情報サイトなどの「面接でよくある質問」を参考にするとよいでしょう。一般的には、志望動機や自己PRなどに関する質問が多いとされています。

表情、姿勢、身だしなみの確認

回答の練習だけでなく、表情は柔らかいか、姿勢はよいか、身だしなみは規定通りできちんとしているかを練習時に確かめましょう。スマートフォンやタブレットで練習中の動画を撮影しておき、あとで見直してチェックすると効果的です。

障害者の方の就職活動のポイントと支援サービスの活用

障害者の方の就活で、基本的な流れの他にどのような注意点があるのでしょうか。ここでは、障害のある方の就活におけるポイントや支援サービスについてご紹介します。

障害者手帳について

障害者手帳とは、障害のある方に対してお住まいの自治体が発行する手帳です。障害者手帳を持っている場合、「障害者採用枠」へ応募ができます。障害者手帳を持っていない場合は一般枠のみの応募となりますが、手帳を持っている方でも一般枠への応募は可能です。障害者手帳を持っている場合、一般枠か障害者採用枠のどちらに応募するかはご自身で決めることができます。

公的な支援サービスを利用する

障害のある方がはたらくにあたり、もし困りごとがあれば公的支援を利用することも検討しましょう。障害者が就活中や就職後に利用できる公的な支援機関としては、ハローワークや就労移行支援事業所などがあります。

就活エージェントサービスを利用する

障害者の就職に特化した、専門の就職エージェントを利用する方法もあります。公的サービスよりきめ細かいサービスが受けられるため、就活を始める段階からの利用がおすすめです。
就活エージェントでは専門のキャリアアドバイザーが、現在の就活市場に関する情報を提供してくれます。またエントリーシートの添削や面接時のアドバイス、障害や得意分野にマッチした求人情報の提供など、求職者の方一人ひとりに合った支援を受けることができます。

dodaチャレンジで就職活動や面接対策を行いましょう

dodaチャレンジは、障害のある方のための就活エージェントです。求人サイトには掲載されない「非公開求人」を含んだ多彩な求人から、求職者の方に最適な求人をご紹介します。
就活中も経験豊富な障害者専任のキャリアアドバイザーが、障害の状況や配慮事項などを丁寧にヒアリング。一人ひとりに納得の行く就職活動をサポートし、入社後のはたらき方まで含めて就職成功へ導きます。すべてのサービスが無料で利用できますので、就活中の学生はぜひdodaチャレンジまでお問い合わせください。

まとめ

障害のある方の就活も、自己分析や企業研究など初期段階からの準備が肝心です。やるべきことが多いので、ご自身のペースで進められるよう余裕を持って計画を立てましょう。1人だけでは大変と感じることもあるでしょうから、就活エージェントのアドバイスを受けながら就活を進めていく方法もおすすめです。
dodaチャレンジは、新しいステージに挑戦するみなさんを全力で後押しします。ぜひ、お気軽にご相談ください。

公開日:2022/3/31

監修者:木田 正輝(きだ まさき)
パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 キャリア支援事業部 担当総責任者
旧インテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社後、特例子会社・旧インテリジェンス・ベネフィクス(現パーソルダイバース)に出向。採用・定着支援・労務・職域開拓などに従事しながら、心理カウンセラーとしても社員の就労を支援。その後、dodaチャレンジに異動し、キャリアアドバイザー・臨床心理カウンセラーとして個人のお客様の就職・転職支援に従事。キャリアアドバイザー個人としても、200名以上の精神障害者の就職転職支援の実績を有し、精神障害者の採用や雇用をテーマにした講演・研修・大学講義など多数。
  • ■国家資格キャリアコンサルタント
  • ■日本臨床心理カウンセリング協会認定臨床心理カウンセラー/臨床心理療法士
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