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掲載日:2015年7月13日

ストレスをパワーに変えてキャリアアップ!“ストレス・マネジメント術”

「doda女性のための転職フェア」が2015年5月29日(金)、30日(土)の両日、東京の渋谷ヒカリエにて開催されました。会場内で講演会も開かれ、各界で活躍する女性や、dodaの女性キャリアアドバイザーが、今後のキャリアや仕事に役立つテーマについて講演しました。

今回はその中から、キャリアカウンセラー藤井佐和子さんの講演の模様をWoman Career編集部がレポートします。

profile 講師プロフィール

藤井 佐和子さん

藤井 佐和子さん
株式会社キャリエーラ キャリアカウンセラー

1968年生まれ。大学卒業後、大手カメラメーカーを経て、パーソルキャリア株式会社で8年間勤務。派遣事業部や人材紹介事業部、さらに女性を対象とした転職支援チームを立ち上げ、数多くの女性の転職者を支援。その後、株式会社キャリエーラを立ち上げ、延べ13,000人以上のカウンセリング、年250件以上の講演、研修実績を持つ。『女性社員に支持されるできる上司の働き方』(WAVE出版)など著書多数。

自分の“感情の癖”を知ることが、ストレス・マネジメントの第一歩

私は2002年に株式会社キャリエーラを立ち上げ、これまで延べ13,000人以上のキャリアカウンセリングをしてきました。さまざまなキャリアの悩みを聞く中で感じるのは、女性がキャリアアップを実現していくためには、自身の感情と上手に付き合うスキルがとても重要だということ。感情をうまくコントロールすることで、ストレスもプラスの力に変えることができ、加えて、周りからも信頼や協力を得やすくなるため、継続的・安定的に成果を出すことにつながると思うんです。

感情と上手に付き合うために、まずは、自分の感情の癖を知ることから始めてみてください。感情の動き方は人によって異なり、日によって、あるいは1日の中でもアップダウンします。「どんな時にうれしいと思い、それはなぜか」「どんな時にマイナスの気持ちになり、それはなぜか」を考えてみましょう。感情の癖を把握することで、「今、私は気持ちが落ちているけど、それはこういう理由だな」と気付けるようになります。自分の今の状態を客観的に捉えられるようになることが、ストレス・マネジメントの第一歩です。

では今日の本題である、ストレスをパワーに変える方法をご紹介しましょう。実際にカウンセリングで多く寄せられる相談内容を例に挙げながら、仕事においてストレスが生じやすい場面ごとに、具体的な対処法をお伝えしたいと思います。

ケース1
変化に直面した時のストレスや、この先の変化を不安に思うストレス

このケースへのアドバイス

・「3年後、5年後にどうなっていたいか」のビジョンを持つ

・日ごろから広い視野で情報収集し、変化を予測する

仕事をしていれば必ず「変化」に直面するはず。担当業務や上司が変わったり、部署が異動になったり、あるいは管理職を打診されたりすることもあるでしょう。変化が起きると人は大きなストレスを感じがちですが、このストレスを少しでも軽減するには、日ごろから「仕事を通じて私はどうなりたいのか」という将来的なビジョンを持っておくことが大切です。長期的な視点で自分のキャリアを見ることができれば、目の前の変化をそれほど大きなものと感じなくなると思います。

「変化」に関連した悩みを抱える女性は多く、「やりたくない仕事を任された」「希望していない部署に異動になった」という相談をよく受けます。こんな時も、ビジョンがしっかりと定まっていれば、希望していない仕事だったとしても「なりたい自分に近づくために、新しい仕事や職務を通してどんな経験やスキルが磨けるだろう」と、発想をポジティブに転換しやすくなります。

「突然、管理職を打診されて、思わず断ってしまったけど、後になって引き受ければよかったと後悔している」という相談も少なくありません。変化に直面した時に慌ててしまうと、冷静な判断ができなくなり、後で悔やむような選択をしてしまいがちです。慌てないためには、あらかじめ環境変化の予測をしておくことが大切。そのためにも日ごろから視野を広く持ち、社内の動向やキャリアパスの選択肢などの情報を、自分から積極的に集めたり取捨選択したりすることを意識しましょう。

ここで挙げた「明確なビジョンを持つこと」「情報収集を心がけること」の二つは、自分の将来のキャリアについて漠然とした不安を持っている人にも、ぜひお勧めしたいですね。「未来が見えない」と不安に思う前に、「ありたい自分」を自ら主体的に描くことが大切。そうすることで、目的意識を持って目の前の仕事に取り組むことができ、将来への漠然とした不安も軽減できるはずです。

ケース2
人間関係のストレス

このケースへのアドバイス

・「仲良くすること」ではなく「成果を上げること」を目標に

・相手のことを積極的に知る

職場での人間関係もストレスの要因になりますよね。「会社の人と仲良くするにはどうすればいいか」という相談も多く受けます。それに対して私がアドバイスするのは、「目の前の人間関係だけに集中し過ぎない」ということです。そもそも会社で働くのは人と仲良くするためではなく、「チームで協力し合って成果を出すため」のはず。仲良くする、という漠然とした目的を持つのではなく、どうすれば周りを巻き込みながら一緒に成果を上げられるか、というところに視点を移しましょう。一つの成果に向かうという明確な目標ができることで、人間関係のストレスは薄れるはずです。

「価値観の違う同僚に振り回される」という相談もあります。対策としてお勧めしたいのは、「相手を知ること」です。価値観が違うから、苦手だから、とシャットアウトするのではなく、相手のこれまでの経験や仕事への思いを聞いてみるなど、積極的に交流を図ってみてはどうでしょうか。自分とは違う相手の持ち味や強みも見えてくるはず。苦手な相手と距離を置くのではなく、自ら進んで関係構築に努めた方が、結果的にストレスを減らしてスムーズに仕事を進められると思います。

ケース3
「正当な評価が得られていない」と感じるストレス

このケースへのアドバイス

・状況に応じて戦略的に自分をアピールする

・「誰にどう評価されたいか」の軸を持ち、人と比べない

「頑張っているのになかなか評価してもらえない」「人と比べて自分は評価されていない」と感じる状況も大きなストレスになります。「上司が変わり、前のように評価されなくなった」という相談もよくありますが、その場合は、新しい上司が何を期待しているのか、具体的にどんな成果を挙げれば評価されるのかを客観的に考えてみましょう。何でも上司に合わせればいいというものではありませんが、上司の意向に沿ったアウトプットを戦略的に進めるのも大切です。

「いつもみんなが嫌がる仕事を押し付けられて断れない」という人もいるのではないでしょうか。「ケース1」でお伝えした「長期的なビジョンを持つこと」はここでも重要で、それによって、その仕事を引き受ける意味、あるいは断る理由がはっきりするので、引き受けるにしても「押し付けられた」という意識はなくなるはず。また人が嫌がる仕事を引き受けたなら、「誰かが見ていてくれるはず」と期待するのではなく、引き受けた事実や成果を自分からきちんとアピールすることも大切です。

「人と比べてしまって、自信を失くす」という女性も多いですが、「こうなりたい」という自分のビジョンがないと、人と比べてストレスをためることになってしまいます。まずは、自分自身がどうなりたいのかしっかりビジョンを描くことが大切です。また「自信がない」と不安になるのは、「みんなに評価されたい」という気持ちが隠れているからではないでしょうか。でも、必ずしも全員に認められる必要はないはず。誰に、どのように評価されたいのか、という明確な目標を自分の中に定めることで、「それ以外の人からの評価はあまり気にしないでいよう」と、少し気持ちを楽に構えられるのではないでしょうか。挑戦へのハードルが下がり、ストレスを前向きなパワーに変えやすくなります。

感情に繊細な女性だからこそ上手にコントロールできれば大きな強みに

これまで挙げた以外にも、仕事をする中でストレスを感じる場面はあると思います。また時には、どうしても解消できないほど大きなストレスを抱えてしまうこともあるでしょう。そんな時に無理やり、「ネガティブになってはいけない」と感情を抑え込んでしまうのは良くありません。一人で悶々と悩んだり、無理に心の中に納めようとせず、ネガティブな気持ちをまずは外に出すことを意識してください。自分とは異なる角度から目の前の問題を考えてみることで、解決方法が見えてくることもあるはずです。悩んだり迷ったりしている時こそ、自分とは違う経験を積んできた人に相談したり、業界や職種が異なる人と話をしてみてはどうでしょうか。

感情をコントロールするスキルがキャリアアップに重要なことは科学的にも証明されているんです。アメリカの研究者の調査によると、ビジネスで成功している人は、自分の気持ちをうまくコントロールしながら相手に働きかける能力に優れていることが明らかになっています。ビジネスで成功する鍵はIQ(Intelligence Quotient=知能指数)ではなくEQ(Emotional Intelligence Quotient=心の知能指数)であるというのです。IT化、機械化がさらに進むこれからの時代、人にしかない「心の知能指数」はより重要性を増していくでしょう。

「女性は感情的だ」と言われることがありますが、見方を変えれば、女性は自分自身や周りの人の感情の動きに敏感で、相手の感情を思いやるスキルも高いということ。実際に、女性は男性に比べて一生の中で悲しみを感じる時間が3割長いとも言われていて、これは女性の「共感能力」の高さの表れと言えます。この共感能力を活かし、自分の感情をコントロールしながら相手の気持ちに寄り添ったコミュニケーションができれば、より多くの協力者ができ、結果として高い成果を上げやすくなります。つまり、女性として感情に敏感であることは、決してマイナスではなく、むしろその特性をうまく活かすことで、ビジネスパーソンとして大きな強みになるのです。

最後に、明日からでも実践できることを一つお伝えしたいと思います。日によって感情のアップダウンはあると思いますが、感情の状態に関わらず、一日を笑顔でスタートすることをぜひ心がけてください。笑顔を意識することで、いつしか自分の気持ちも前向きに変わり、それは周りの人にも伝播していきます。いつもにこやかな人の周りには、チャンスや人の助けが自然と集まってくるはずです。

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