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機械学習を始めたいエンジニアのための入門セミナー
~独学からの転職事情も教えます~
2023年6月22日開催

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株式会社キカガクで機械学習講師を務める山村亮氏を講師に迎え、オンラインセミナー「機械学習を始めたいエンジニアのための入門セミナー~独学からの転職事情も教えます~」を開催しました。
機械学習のスキルを身につけ、業務で活用していきたいと考えている皆さまに、ぜひ参考にしてほしい内容です。
また、セミナーではdodaキャリアアドバイザーの小倉義行が、機械学習エンジニアの求人の市場感や求人の探し方、独学から転職するための学習方法、面接対策なども解説しています。
今回は、セミナーのハイライトを少しだけお伝えします!

登壇者紹介

山村 亮/写真
山村 亮(やまむら・りょう)氏
株式会社キカガク 機械学習講師

大学院では物理学を専攻し、新卒で文部科学省に入省。量子コンピュータをはじめとする先端技術の推進に従事。現在は機械学習講師として、ディープラーニングやデータエンジニアリングなどの研修を担当している。
小倉 義行/写真
小倉 義行(おぐら・よしゆき)
dodaキャリアアドバイザー(IT領域・アプリケーション領域担当)

進学塾で教室長を経験した後、パーソルキャリア株式会社に入社。キャリアアドバイザーとして、ITエンジニアを中心に転職支援を行っている。主にアプリケーションエンジニア、社内SE、データサイエンティスト、ITコンサルタント、プロジェクトマネジャーなどの職種の方々の転職支援に強みを持つ。
キャリアアドバイザーの育成組織でマネージャーを務めた後、自らの希望で現在はエキスパートに転向し、求職者の転職支援に従事している。

当日のプログラム

  • 1. 開始〜概要説明

  • 2. 機械学習を学び始めるための基礎解説:キカガク社

    機械学習、AI、ディープラーニングの概要や違いの理解
    機械学習の具体的な手法と応用例
    ChatGPT とは
    キカガク講師のChatGPT活用例
    Q&Aタイム

  • 3. 独学から転職につなげるためのポイント:dodaキャリアアドバイザー

    機械学習求人の市場感
    独学OK求人の探し方
    独学からの転職を目指す場合の選考対策

  • 4. 振り返りまとめ~終了

機械学習、AI、深層学習の概要や違いの理解

セミナーの第1部では、山村氏より「機械学習(Machine Learning)、AI(人工知能)、深層学習の概要や違い」を解説しました。

AIとは

山村 亮/写真

山村氏 最近、AIという言葉をよく耳にしますが、AIには明確な定義が存在しません。これは、AIの捉え方が個人や組織、国によって異なるためです。ただし、一般的にAIは「人間の知能・知的行動を模倣するもの(一種の判断を担うもの)」と理解されています。

この基準でAIを考えると、大きく2つのカテゴリに分類できます。

AIの種類 説明
汎用型AI
  • ・自ら様々な問題やタスクを処理
  • ・想定外の問題に対応できる
映画やアニメに登場する
ロボットやキャラクターなど
特化型AI
  • ・特定のタスクや領域に特化
  • ・想定外の問題に対応できない
顔検知、ECサイトのレコメンド機能、
工場のロボットなど

特化型AIはすでに多くの領域で実用化されており、広範囲にわたる用途で活用されています。
一方、汎用型AIはまだ実現されていない領域ですが、最近のAI技術の進歩、特に生成AIの登場により、その実現が現実のものとなる可能性が高まっています。

AIと機械学習の違い

山村 亮/写真

山村氏 AIと機械学習はしばしば混同されますが、実際には「AI=機械学習」というわけではありません。機械学習はAIの中の一手法で、データを利用して自動で知識やルールを見つけ出し、組み込む方法です。

また、AIには機械学習以外にも、ルールベースAIという手法があります。この手法では、人間がルールを設定し、そのルールに基づいて条件分岐を行いながら処理を自動化します。ルールベースAIの特徴は、定められたルールの範囲外の問題に対応できないことです。対照的に、機械学習は大量のデータからパターンを学び、予測を行うAIで、人間が直接ルールを設定する必要はありません。

つまり、AIの広範なフィールドにおいて、機械学習とルールベースAIは、問題を処理する際の判断基準において異なるアプローチを取っています。

機械学習の3大トピックス

山村 亮/写真

山村氏 機械学習は大きく以下3つのジャンルに分類されます。

これらの中でも、特に昨今注目を集めているのが「教師あり学習」です。
教師あり学習は、機械学習の一種で、データとそのデータに対応する正解を用いて、モデル(AI)を訓練する手法です。

セミナーでは、教師あり学習を「条件Xから、予測値Yを算出する」と定義し、具体的な事例を交えて機械学習の仕組みを分かりやすく解説しました。

詳細を知りたい方はぜひアーカイブ動画を視聴してみてください

機械学習エンジニアによるChatGPT活用セミナー アーカイブ動画

イメージ画像

機械学習を始めたいエンジニアの方へ。この動画では、機械学習分野での豊富な研修実績を持つ株式会社キカガクの講師が、機械学習の基礎知識やChatGPTの仕組み、活用方法を分かりやすく解説しています。機械学習の知識・スキルを身につけ、業務で活用していきたいとお考えの方は、ぜひご覧ください。

アーカイブ動画を見る

深層学習とは

山村 亮/写真

山村氏 深層学習(ディープラーニング)は機械学習のモデルの一種で、特に複雑なデータの処理に優れています。

従来の機械学習では、画像やテキストのように数値化が困難なデータを扱うためには、人が手作業で数値化する必要がありました。しかし、深層学習は画像やテキストデータを直接扱うことができ、データを渡すだけで自動的に数値化を行うことが可能です。

これにより、深層学習は画像認識や自然言語処理など、多様な領域で効果的に活用されています。

機械学習の具体的な手法と応用例(テーブルデータ、画像、自然言語)

山村 亮/写真

山村氏 機械学習に用いられるデータの種類には、以下のようなものがあります。

  • テーブルデータ(表)
  • 画像
  • 自然言語

例えば、工場や製品に取りつけたセンサーデータを用いて異常検知を行ったり、製造ラインの製品画像を用いて品質管理を行ったりと、機械学習はデータの種類に応じて多様な分野で応用されています。

より良いモデル作りとは

精度の高い学習モデルを作るためには、着目すべき2つのポイントがあります。

1つは、モデルが学習するために必要なデータの最適化です。具体的には次の3つを考慮したデータを用意しましょう。

  • 大量の質の良いデータを準備する
  • 質の悪いデータの場合は前処理を行う(単位を揃える、欠損値を埋めるなど)
  • 手元のデータを組み合わせてより良いデータを作る(≒特微量エンジニアリング)

2つ目は、モデルの学習方法です。

  • 良いモデル(アーキテクチャ)を使って学習させる
  • 良い学習済みモデルを使って学習させる(Fine-tuning・転移学習)

これらのポイントを適切に実施することで、機械学習モデルの性能を大幅に向上させることができます。

ChatGPTの概要

セミナーの第2部では、昨今注目を集めているChatGPTに焦点を当て、概要や注意点、活用例などを解説しました。

ChatGPTとは

山村 亮/写真

山村氏 ChatGPTは、OpenAI社によって開発された対話型チャットサービスで、機械学習モデルの一種です。このサービスの中核には、大規模自然言語モデルが搭載されており、ユーザーからの指示(プロンプト)に基づいてさまざまなタスクを実行できるのが特徴です。

ChatGPTのモデルは、Web上の何十億もの文章や文書を活用してトレーニングされています(2021年までのデータを活用)。また、モデルのトレーニング後は、人間による追加のトレーニングが施され、これによってより精度の高い回答を可能にしています。

ChatGPTの注意点

山村 亮/写真

山村氏 日々進化し続けているChatGPTですが、その精度はまだ完璧なものではありません。時には間違った回答をしてしまうこともあります。その理由として、ChatGPTは確率的な言語モデルであり、すべてのケースで正確な結果を予測することが困難なためです。

したがって、ChatGPTをうまく活用するには、出力された回答を正しく解釈する、あるいは正しい回答を出力するために適切な入力(プロンプト)を学ぶ必要があるでしょう。

また、セキュリティ面においては以下の2点を考慮する必要があります。

  • 入力データを学習に使用するのか?
  • 入力データは誰が管理するサーバーに保存されるか?

今後の言語モデルや活用例

山村 亮/写真

山村氏 ChatGPTは、言語処理に限らず、データや画像、音声などさまざまな入出力に対応できるようになりました。
この汎用性の高さから、プロンプト次第で幅広い業務での利用が可能です。

  • テキスト要約
  • 改善レビュー
  • 情報検索
  • 言語翻訳
  • 創作物作成
  • 教育支援
  • 対話

例えば、以下の図のように、質問に対する回答を得て、それを要約するようChatGPTに投げるなど、多彩な活用が考えられます。

セミナーでは、ほかにも効果的なプロンプト作成のコツや、5つの活用事例について解説しました。

機械学習未経験から転職につなげるための独学のポイント

セミナーの第3部では、dodaキャリアアドバイザーの小倉より「機械学習未経験から転職につなげるための独学のポイント」というテーマで、求人情報や必要スキル、アウトプット例などを解説しました。

機械学習の求人情報

小倉 義行/写真

小倉 ITエンジニア全体では人手不足が顕著であり、以前と比べて未経験者の採用が増加傾向にあります。しかし、求人総数全体から考えると、即戦力や実務経験が求められる案件が依然として多いのが現状です。機械学習においても、求人は存在しますが、ほかのITエンジニア領域と比較して相対的に数は少なめです。

未経験から一般のITエンジニアに挑戦するのに比べて、機械学習に挑戦するほうが難易度は高いとされています。これは、機械学習が専門的な知識や技術を要求するためで、特に初心者にとっては習得が難しい分野であるためです。

機械学習の転職に求められるスキル

小倉 義行/写真

小倉 機械学習の分野への転職を目指す際に求められるスキルは、自社開発企業か受託開発企業かによって異なります。

自社開発企業では、機械学習の実務経験や、Pythonを使用した機械学習や深層学習に関する知識が求人の必須条件となることが多いです。これは、自社製品やサービスに直接関わるため、具体的な経験と技術力が重視される傾向にあるためです。

一方、受託開発企業では、ソフトウェアエンジニアの実務経験は重要視されるものの、AIや機械学習の開発経験に関しては必須条件ではないこともあります。受託開発では、多様なプロジェクトに対応できる汎用的な技術力や適応性が求められるため、自社開発企業に比べると機械学習未経験者でも採用されやすい傾向があります。

独学から転職を目指す際のアウトプット例

小倉 義行/写真

小倉 独学から転職を目指す場合、経験者に比べてハードルが高くなります。そのため、学習の成果を具体的に示すアウトプットが重要になります。

以下は、独学から転職につなげるためのアウトプットの具体例です。

  • スクールなどに通い、成果物をアウトプットする
  • GitHubやQiitaのアカウントを共有し、日々の自己研鑽をアピールする
  • 関連資格を取得する

さらに、現在の仕事で機械学習などの技術を活用し、実際の業務で成果を出すことも転職に有利に働きます。このように、独学からの転職を成功させるためには、学んだ知識をアウトプットに結びつけることが大切です。

セミナーでは、ほかにも次のようなテーマについて、リアルな体験談をもとに解説しました。

  • 独学OK求人の探し方
  • 面接での質問例

このセミナーを動画でご覧になりたい方は、ぜひアーカイブ動画をご覧ください!

機械学習エンジニアによるChatGPT活用セミナー アーカイブ動画

イメージ画像

機械学習を始めたいエンジニアの方へ。この動画では、機械学習分野での豊富な研修実績を持つ株式会社キカガクの講師が、機械学習の基礎知識やChatGPTの仕組み、活用方法を分かりやすく解説しています。機械学習の知識・スキルを身につけ、業務で活用していきたいとお考えの方は、ぜひご覧ください。

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参加者の声

  • 30代前半 事務・アシスタント

    ていねいに分かりやすく説明していただけたので理解することができました。
    今日のお話を聞いて、ChatGPTをもっと活用していきたいと思いました。

  • 60代以上 企画・管理

    初心者にも分かりやすく、学習のヒントもご教示いただけて大変参考になりました。

  • 40代後半 技術職(IT)

    資料を見ながら説明を聞くことで、内容をおおむね理解できた。AI、機械学習およびChatGPTについて、知識を得ることができて有益だった。

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