私は、もともとこだわりや責任感が強いところがあり、うつ病を発症した経緯も、仕事の多忙によるストレスが原因でした。初めは、自律神経失調症で婦人科に通院していましたが、家族の病気と重なったことで心身の負担が大きくなり、ある日突然、体が動かなくなってしまいました。入浴中、シャンプーを取ろうとしているのに手が動かないんです。私の異変に気づいた母が心療内科に連れて行ってくれ、すぐにうつ病と診断されました。31才のことです。正直な気持ち、うつ病と診断されたときは、かなりショックでした。受け入れがたい思いでしたが、休めば良くなるだろうと考え、しばらく休職しました。
当時は、メーカーで設計図の作成をしており、毎日終電で帰る状態が数年続いていました。仕事が好きで誇りもあったので、仕事を続けていくために、うつ病の原因を家族の病気による心労であると上司に報告していました。一度は復職しましたが、うつ病発症前と同じ仕事環境に戻ると、だんだんと休みがちになり、週に2~3日欠勤する状態が2年間続きました。そしてその後、会社の経営悪化に伴い、リストラで失職することに。このとき主治医から、双極性障害に移行していると診断され、障害者手帳を取得することを決心しました。
普通の生活がしたい。だから障害者採用枠ではたらこうと決意
これまでずっと無理をしてきて、この生き方で良いのか分からなくなり、今後のことをゆっくり考えるため半年間休養しました。
社会復帰後は、障害者手帳のことは伏せて、一般採用枠で貿易事務の仕事に就きました。はたらき始めて1年くらいは良かったのですが、季節によるものや小さなストレスが積もって、徐々に症状が出てきました。ひどいときは体が鉛のように重くなり、寝返りも打てなくなります。会社には自律神経失調症と偽りながら、なんとか契約満了の1年9ヶ月をやりきりました。
このとき、「双極性障害の病気を隠して仕事することは、もうしんどい」「普通の生活がしたい」と思うようになりました。実家に戻り家族と話していくうちに、自分自身を受け入れることができて、障害者採用枠で仕事を続けていこうと気持ちが変わってきました。