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森正文氏インタビューVOL.1 タイミングの見極め方

株式会社一休 代表取締役 森正文氏 interview /悩む前に一歩踏み出す。ピンチをチャンスに変え、道を切り開く生き方とは

高級ホテル・旅館専門の宿泊予約サイトとして知られる「一休」。創業者の森正文社長は、日本生命時代の30歳から4年間大病を患い、死を意識した経験から、「一番元気な30代後半からの20年間に好きな仕事をしたい」と一念発起して、一休を起業。数々のピンチをチャンスに変え、道を切り開いてきた森氏に、チャンスとは、失敗とは何か、そして転職に何を求めるべきか語っていただいた。

森 正文(もり・まさふみ)氏

森 正文(もり・まさふみ)氏

株式会社一休 代表取締役

1962年2月生まれ。86年上智大学法学部法律学科卒業、同年日本生命保険入社。米リーマン・ブラザーズ投資顧問派遣後、融資・審査部に所属。30代に入ってC型肝炎であることがわかり、数年間治療に専念する。病気の完治を機に、98年5月に日本生命を退社、同年7月に一休の前身に当たるプライムリンクを設立、代表取締役に就任。2004年7月に商号を一休に変更。高級ホテル・高級旅館宿泊予約サイト「一休.com」を立ち上げた。2005年8月東証マザーズ上場。2007年2月東証第一部へ市場変更。2014年3月末日時点の一休の会員数は346万人。

Vol.1 タイミングの見極め方

転職のチャンスは待っていても来ない。
チャンスは自ら作り出すものという持論について森氏に聞いた。

― 人生で777はそろわない

「そのうち転職のチャンスが来ると待ち続けている人がいますが、スロットマシンみたいに人生で777がそろうことってまずないですよ」
 高級ホテル・旅館専門の宿泊予約サイト「一休」の森正文社長は語る。

「やりがい、給与、健康、上司部下の人間関係、家族関係、趣味の時間など、人によって求める条件はいろいろありますが、全てがきれいにそろうことはありません。もちろん1000万円貯まったらとか、子供が大学生になって手離れしたらといった節目なら待つ意味がありますが」

― 闘病経験が人生観を変えた

 森氏は86年に大学を卒業後、日本生命に入社し、ニューヨークで駐在員になるなど順風満帆なビジネスマン生活を送っていた。
 だが、30代で死を意識するほどの大病を経験して人生観が大きく変わったと言う。
「30歳から4年ほど通院しました。その時、もし病気が治ったら好きなことやってやろうと決心したんです」
 幸い病気は治った。「当時、同期の連中は家のローンを半分返したとか、子供が2人いるとか。すごいなぁと思いましたよ、自分は独身で合コンばかりしていましたから」
 病気は大きなターニングポイントになった。通院しながら「一番元気な30代後半から55歳頃までの20年をどう過ごすべきか」常に思いを巡らせていたという。

― 自分がやりたいと思ったときがチャンス

 森氏の決断は速かった。98年5月、34歳で退職し、自ら会社を興す。実はこの時点ではまだ何をするのかアイデアはなかった。自分が何かをしたいと思ったら、その時点こそ“7”がそろった瞬間だと思うようにしていると言う。
「何をしようか考えている間に、まずは資金を増やそうと思い、貯金の3000万円で株の空売りをしたら、増やすどころか1カ月で1000万円まで目減りしてしまったんです。しかも1000万円しかないのに、見栄を張って120万円もする高級テーブルを買ってしまって。家賃やら何やらでお金はどんどんなくなっていく。もう待ったなしですよ」
 かといって会社を放棄するのも容易ではない。「知人に聞いたら、自己破産するにも30万円くらいかかると」
 そんな追い込まれた状況があったから、まだ日本にないネットオークション業に目をつけることができた。
「あの時私は、資金が1000万円になってしまったことを悔やむのではなく、これが“7”が揃った時だ。神様が自分の適正規模にしてくれたんだ。この資金でできることを始めようと思うことにした」という。

 その後、森氏はオークション事業に乗り出すが、すぐに大手ヤフーが参入し、またもや危機が訪れる。
「そこで同じ仕組みを使って何か特徴あるビジネスを」と模索しているときに高級ホテルの部屋を売るサービスを思いつく。
「このサービスなら少人数のスタッフで回せるし、高級ホテルなので新規開拓も少なく、お客様からのクレームも少ないですから」
 これが一休の誕生だ。

― 機が熟すのを待ってたら人生は終わり

 ピンチを次々にチャンスに変える臨機応変な森氏の判断が随所に見られる。
「『機が熟したら』なんて言っている間に、人生は終わります。迷ったらやってみるしかないでしょう。そりゃ、いろいろな条件がそろったほうがいいですよ。でも全部がそろうことなんてないんです。逆にそろったことに気づけるとも限らない。ならば、やってみようかなと思った瞬間が、絶好の機会なんですね」
 森氏は、自分が何かをしたいと思ったら、その時点こそ“7”がそろった瞬間だと思うようにしている。
 機が熟すのを待つのではなく、自ら熟させ作り出す。森氏の流儀がそこにある。

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