ADHD(注意欠陥多動性障害)/20代/人事への就職ストーリー

ADHD(注意欠陥多動性障害)の方の就職体験談ADHD(注意欠陥多動性障害)の方の就職体験談

障害者採用枠での就職を選択。専門の就職エージェントとともに、苦手なマルチタスクを乗り越えました

Y.Y.さん 20代 ADHD/注意欠陥多動性障害(精神障害)

就職活動期間
4ヶ月(dodaチャレンジでの活動期間)
現職
保険会社 人事

たくさんの習い事から見つかった「好き」なこと

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私は、美術大学を卒業し彫塑を学びました。子どもの頃から、手を動かして立体を造ることが好きだったんです。きっかけは小学校の頃、通っていた造形教室です。6年間続けましたが、最初は、ものすごく抵抗して嫌々通っていました。私は人見知り、場所見知りが激しいタイプだったので、知らない人や初めての場所への拒否反応が強かったんです。しかし、母が、私が慣れるまで根気強く通わせてくれたおかげで、だんだんと造形の楽しさが分かるようになり夢中になっていきました。

造形教室以外にも、スイミング、バレエ、ピアノ、絵など、たくさんの習い事をしていましたが、最後まで続いたのが造形教室でした。どの習い事も自分からやりたいと言って始めたものはなく、母が決めていたので、子どもの頃は、「習い事をさせられている」感覚でした。大人になってから母に聞くと、「いろいろやってみてチャンスを掴ませてあげたい」という思いからだったそうです。当時はギャンギャン泣きながら教室に通っていたという記憶が多いのですが、今思えば、好きな造形・彫塑に出会えたので感謝ですね。

中学生のとき「自分はADHDではないか」と自覚、大学生のときに初受診

私はおてんばで、物心ついたころには周りの子との違和感を感じるようになりました。友達から、からかわれたりすることもありました。中学生になって、たまたまテレビで特集していたADHDの番組を観ていたときに、「これ、私だ!」と思ったんです。忘れ物が多い、緊張すると多動、過集中するなどの特徴が当てはまって、もしかしたらADHDなのではないか?と思いました。でも、家族にどう話した良いか分からず、一人でずっと抱えていました。

精神科を初めて受診したのは大学2年生のときです。美大の知り合いから「病院に行ってみたら?」と勧められたんです。まだ家族には話せずにいたので、一人で病院に行きました。診断の結果は、ADHDとアスペルガー症候群でした。アスペルガー症候群については、それまで自覚がありませんでしたが、診断されて納得しました。また、自分の特性がはっきり分かったので、行動する際の対策を立てる手段が明確になり、ほっとしたことを覚えています。薬も処方してもらい、服用すると生活が楽になっていきました。受診から数ヶ月後、家族に報告したところ、「そうなんだ」と言ってもらえたのも嬉しかったです。

マルチタスクは苦手。障害者枠での就職を決断

障害者手帳を取得したのは、就職活動が具体的になった大学3年生のときです。就職活動を一般枠にするか、障害者枠にするかでとても悩みました。いろいろ調べていく中で、特性を理解してもらい無理なく仕事を続けられる環境はどちらか?という点が決め手となり、障害者枠で就活することを選択しました。大学1年生の時から、マンガ喫茶でアルバイトをしていましたが、マルチタスクをこなす社員のはたらき方を見て、自分にはできないと認識していましたし、時間に追われたり、複数の業務を並行することがとても苦手です。家族にも相談し、「続けられる方がいいんじゃない?」と理解してもらえたので、障害者手帳を取得し、障害者枠で就職活動を進めました。

一人で行う就活ではうまくいかず・・・

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就活は順調には進みませんでした。大学では障害者枠の求人紹介はなく、自分で探してエントリーするしかありませんでした。しかし、マルチタスクを苦手とするADHDにとって、就活ではつまずくことが多いんです。求人の情報管理、エントリーした会社の進捗管理、作成したエントリーシートの整理、面接の日程調整などまさにマルチタスクですし、エントリーしても面接に進まなかったり、気持ちは焦るばかりでした。このままやみくもに一人で就活をしていては、一向に決まらないだろうと考えた私は、「障害者 エージェント」で検索して専門機関を探すことにしました。

キャリアアドバイザーと一緒に就活したら、大学4年6月に内定獲得!

dodaチャレンジに登録したのは大学3年の3月です。もう1社、障害者専門のエージェントに登録しましたが、連絡があったのはdodaチャレンジだけでした。キャリアアドバイザーから電話があり、物腰の柔らかい印象で安心できたので、対面でのキャリアカウンセリングを依頼し、直接お会いして相談させていただくことにしました。私が希望した条件は、障害をオープンにできる職場であること、事務職、そして給与の希望金額も具体的にお伝えしました。その上で紹介してくださった企業が2社。そのうちの1社が現職の大手保険代理店でした。エントリーシートの提出や合否連絡の対応、面接の日程調整、面接対策など、キャリアアドバイザ-が全てサポートしてくれたので心強かったです。

順調に選考が進み6月中に内定を頂きました。就職活動が早く終わったので、大学生活もしっかり充実させられたのが良かったです。卒業制作は、私の好きなバリ島の文化を感じさせるオリジナルキャラクターを石粉粘土で制作しました。

障害特性への理解ある職場で無理なく成長していきたい

社会人となった現在は、人事部グループに所属して、研修の事務業務や社内報作り、書類処理などを行っています。上司が、私の様子を見ながら業務量を調整してくれているので、本当に助かっています。まずは与えられた業務を全うして、人事グループ全体の業務を把握できるようにしたいです。そして自分にできる業務を一つでも多く増やしていきたいと思っています。また、私は自分の障害の特性と対応策を理解しているので、ゆくゆくは配慮事項を緩和させながら仕事で成果を出していくことを目指しています。

ADHD(注意欠陥多動性障害)の方からのメッセージADHD(注意欠陥多動性障害)の方からのメッセージ

メッセージ

私と同じADHD(注意欠陥多動性障害)やアスペルガー症候群の学生向けになりますが、就活では、「諦めないこと」「慌てないこと」「サーチ力」の3つを意識して欲しいと思います。特に情報サーチは、膨大な情報をやみくもに保存するのではなく、種類別にするなど工夫も必要だと感じました。スマートフォンのメモ帳や、紙のノートでの管理も有効でしたし、困ったら、就職エージェントに頼ることも考えてみてください。
就活は企業の選考スケジュールに合わせるので、自分の都合通りにはいきません。また不採用の結果もありますので、気持ちが塞ぎやすくなります。あるがままの自分を受け入れて、平常心で自分と向き合い、一喜一憂しないことが大切だと思います。私はメンタル面では、目を閉じて瞑想しマインドフルネスをしたり、自分を日々、記録して俯瞰することを心掛けていました。真っ平らな気持ちで、慌てず最後まで諦めないでくださいね。

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