ADHD(注意欠陥多動性障害)/20代/人事への転職ストーリー

ADHD(注意欠陥多動性障害)の方の転職体験談ADHD(注意欠陥多動性障害)の方の転職体験談

障害があることは個性、自分の可能性を広げるチャレンジを続けたい

S.M.さん 20代 ADHD/注意欠陥多動性障害(精神障害)

転職活動期間
1ヶ月半
前職
人材業界 経理
現職
医療業界 人事

留学から帰国後の就活中に体調を崩す

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私が、ADHDと診断されたのは、就職して3社目となる前職に勤めているときで、それまで自分の障害特性に自覚はありませんでした。ですが、大学で就職活動をしていた頃、大きく体調を崩し、緊張していたり周囲に人が多いときなど音がこもって聞こえてしまう病気になりました。

私は、学生時代、中国とカナダに1年間留学し、帰国したのは大学3年生のときでした。特にカナダでは、田舎の方でのんびりとした時間をすごしていたので、帰国後すぐに始まった就職活動という環境の変化に体がついていかなかったのかもしれません。就活では「いつ、どこで、どの会社で」を自己管理する必要がありますが、私は、子どもの頃から物忘れが多かったので、スマートフォンのリマインド機能を使ってタスク管理していました。自分なりに工夫はしていたものの、就活と大学の授業、テストなどを並行するうちに、体調を崩し、耳が聞こえにくくなってしまったんです。この耳の病気で、長時間立つ仕事は難しいと医師から診断されました。後から分かったことですが、耳の病気もADHDによるものだったようです。

客室乗務員を諦め、保険会社に就職するも3ヶ月で退職

私は、目指していた客室乗務員を諦め、座って仕事ができる事務職で就職することにしました。エントリーした会社は20~30社で、そのうち保険会社や旅行会社など4社から内定をいただき、テレマーケティング型の保険会社に入社しました。電話での営業活動であれば座ってできるので、続けられると思っていました。しかし、1日200件ほどの電話は耳への負担も大きく症状が悪化し、その会社を3ヶ月で退職することになりました。その後、留学経験を活かしてハローワークで見つけた小さな中国系の貿易会社に転職しましたが、その会社も3ヶ月で退職。大学卒業して1年も経たず、3社目となる人材派遣会社では、経理職の契約社員で決まりました。1社目で保険関係の資格をいくつか取得していたので、採用に至ったようです。

在宅勤務で過度のストレスを感じ、精神科を受診

3社目の人材派遣会社に入社して半年頃、新型コロナウィルスの影響で在宅勤務となってから、バランスを崩していきました。在宅勤務は、出社してオフィスではたらくよりも自己管理能力が求められます。はたらき方が変わったことでやることが増え、また経理の仕事は納期があるので、仕事に追われるようになりました。その結果、ミスの多発、日々のルーティン業務を忘れる、社員の名前も分からなくなることがありました。ちょうどその頃に胃腸炎を患い内科に行ったのですが、精神科クリニックを紹介され、受診するとADHDと診断されました。これまで自覚がなかったので、正直ショックでした。しかし思い返すと、子どもの頃から、忘れ物が多い、時間に遅れる、集中できない、聞いて覚えることができないなど、ADHDの特性に当てはまっていたので、「自分はADHDなんだな」とすぐに受け入れられました。

勤めていた人材派遣会社に診断結果を伝え、理解してもらえたので続けることは可能でしたが、契約更新はせず、障害者採用枠での転職活動に踏み切りました。もともと契約期間が満了となったら長期で海外に行きたい、と考えたりもしていたのですが、コロナ禍でそれも難しくなり、障害配慮のある環境で、正社員として長期的にキャリアを積んでいこうと考えたからです。

活動期間1ヶ月半で、希望条件に合った会社から内定

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障害者専門のエージェントに数社登録し、すぐに具体的な企業紹介をしてくれたのはdodaチャレンジだけでした。キャリアアドバイザーの方とはWebと電話でのカウンセリングでしたが、優しそうな印象で、とても話しやすかったです。お伝えした希望条件は、障害者採用枠であっても一般社員と同じ仕事で同じ処遇条件ではたらけること、転勤がなく土日祝日が休みであることなどです。その条件で紹介してくれた会社は、現職のほか、保険、金融、メーカーなど複数あり、現職に決めた理由は、面接での印象が良かったからです。転職活動期間は1ヶ月半ほどで、とてもスムーズでした。

障害をオープンにするかクローズにするかは、私自身の希望は特にないのですが、現職の会社は、公開しないスタンスなので、上司と近しい先輩社員だけが知っている状況です。定期的に面談があるので、その都度、配慮してほしい内容を伝えることができます。たとえば、配属された人事部では、採用業務を担当しており、繁忙期になると、業務量が増え、マルチタスクになることに不安があると伝えたところ、上司と先輩は私の様子を見ながら業務指示を出してくれました。さりげなく配慮してくれるので、私もはたらきやすいです。

自分の可能性にチャレンジしたい!

これからの目標ですが、ADHDは私の個性でもあるので、自分に合った対処法を見つけながら、仕事で成果を出していきたいです。私は、他の社員に比べて、ミスが多かったり、業務を忘れてしまうことがありますが、自分のできないことに目を向けてネガティブになるのではなく、特性に対処する力をつけて、前向きな気持ちで仕事に取り組みたいと考えています。そして常に自分の可能性を広げていけるようチャレンジし続けたいです。今は人事部として、労務管理や人材開発の仕事に興味があるので、まずはビジネスキャリア検定の資格取得を目指しています。また将来的には、組織づくりなどにも携わりたいと考えています。

ADHD(注意欠陥多動性障害)からのメッセージADHD(注意欠陥多動性障害)の方からのメッセージ

メッセージ

私は、大学を卒業して1年の間に3社を経験し、ADHDとの診断を受けました。「人生がうまくいかない」という不安はとても大きかったです。その中で、就活では、自分の軸を持つことの大切さを感じ、どんな風に仕事をしていきたいのか、将来どんな自分になりたいのか、仕事を通して私は何を実現したいのかを何度も考えました。私は、様々なライフイベントを迎えても仕事を続けていきたいし、また社員にとってはたらきやすい環境づくりをしたいです。今、私が未来に希望を見出せるのも、キャリアアドバイザーと一緒に活動したからだと思っています。キャリアアドバイザーが親身に話を聴いてくれたおかげで、私は、自分の中にある価値観や就活の軸をはっきりさせることができました。入社後も定期的に連絡をくれるなど、フォロー体制もとても心強いです。今、就活や転職活動で不安に思っている方は、一人で悩まず、dodaチャレンジのキャリアアドバイザーに相談されると良いと思います。

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