聴覚障害/20代/デザイナー職への就職ストーリー

聴覚障害の方の就職体験談聴覚障害の方の就職体験談

大学4年生の夏に就活再開。障害者雇用枠で「デザイナーになりたい」という夢を叶えました

F.M.さん 20代 聴覚障害

就職活動期間
3ヶ月
現職
広告制作会社 デザイナー職

高校まで聴覚障害をオープンにして普通校に通学

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私は、片耳に先天性の聴覚障害がありましたが、高校まで普通校に通い、学校にも友達にも聴覚障害があることをオープンにしていました。放送が聞こえづらかったときはメモで教えてくれたり、友達同士の会話が聞き取りづらいときは、そっと耳打ちしてくれたり、さりげなく配慮してくれた周りの友達にはとても感謝しています。

最初、障害があったのは片耳だけだったのですが、小学6年生のとき、もう片方の耳も悪化していると主治医に言われました。自覚はなかったのですが徐々に悪化していったようで、小学校の授業も、補聴器に加え、要約筆記の支援があった方が安心だろうと、ボランティアに付いてもらっていました。

大学は、聴覚・視覚障害者専門の大学に進学

私は、小さい頃から絵を描くことが好きで、中学では美術部に入り、高校はデザイン科に進学しました。大学でもデザインの勉強がしたいと思い芸術関係の大学を調べ、選んだ大学は、デザイン学科がある上に、聴覚障害者、視覚障害者のための大学です。聴覚障害者ならではの教育もあるのではないかと興味を持ち、大学生になって初めて、聴覚障害者が集まるコミュニティに属しました。大学では、口話、読話ができる学生も多かったですし、一方でコミュニケーションを深めるために私も手話を学びました。

聴覚障害者と聴者の橋渡しの存在になりたい

障害者のための大学に通って分かったことがあります。それは、普通校に通っていた頃の私は、「自然と周りの空気を読んで」いたということす。複数の友達同士の会話はどうしても入りづらいところがありました。会話の内容がわからないとも言わず、またそういった素振りも見せず、会話の流れを止めない方がいいかなと遠慮していました。それが私には当たり前の行動になっていたし、長年の積み重ねで「自分のことより、周りの空気を読む」ようになったんだと思います。

ですが、大学では、普通校を出ていることも手話が使えないこともマイノリティでした。そこでの生活で、周りに合わせるといったことは全然なく、「聞える」「聞こえない」も人の個性として受け止められるようになっていきました。手話に関しては、大学時代に、日常会話ができるまで一生懸命勉強しましたし、次第に聴覚障害者と聴者の橋渡しの存在になりたいと考えるようになりました。両方のマイノリティを経験したからこその発想だと思います。

夢はデザイナー。卒業制作との両立に苦しんだ就活

さて、大学でのデザインの勉強ですが、とても楽しかったですね!学べば学ぶほど、将来はクリエイティブな仕事がしたいと志望するようになりました。就職への意識も早くて、大学3年生で就職支援課に相談していました。夏のインターンシップは、デザインやクリエイティブの職種で3~4社の会社に参加しました。しかし、就活が本格化する大学4年生になったとき、卒業制作との両立に苦労してしまったんです。周りの友達の多くは内定が出ている中、先輩の紹介で受けた会社や、一般職での障害者雇用にも応募しましたが面接で不合格になってしまうなどが重なり、就活へのエネルギーがなくなってしまいました。卒業制作にのめり込むことで、就活は現実逃避。あっという間に夏になりました。

就活に希望を見いだせたdodaチャレンジとの出会い

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自分一人で就活をするには限界があると思ったので、大学の就職支援課に通ったり、インターネットで情報を探しました。「障害者 就職」と検索したときに、dodaチャレンジを知りました。同じ障害の人が就職した事例を読んで、就職できるかもしれない!と希望を感じたことを覚えています。キャリアアドバイザーが二人三脚で就職支援してくれるサービスに魅力を感じ、登録をしました。

私がキャリアアドバイザーに提示した希望条件は、3つです。1つ目は障害をオープンにできること。自分らしくはたらきたかったからです。2つ目は、障害への配慮に理解がある社風であること。大学の先輩から、入社当初は配慮してくれたけど慣れてくると周りの理解が薄れはたらきづらいと聞いたことがあったからです。3つ目は、デザインの仕事であることです。
キャリアアドバイザーは、希望条件を理解してくれた上で、職種については限定せず可能性のある職種にも目を向けていこうと助言してくれました。その方が、心にも余裕が出て、結果的に就活が前に進みやすいと教えてくれたので、私も納得しました。キャリアアドバイザーは、デザイナー職、事務職の2つの軸で10社ほどの企業を紹介してくれました。

不安でたまらなかった面接も、キャリアアドバイザーとの練習で自信がついた

私が就活で一番不安だったのは、面接でした。春に面接で不合格になってから、自信をなくしてしまっていたからです。キャリアアドバイザーからは、「就活を始めた頃の面接は、誰でもうまくいかないもの。数をこなせてなかったんですね。一緒に練習しましょう!」と励ましてくれました。
面接練習をするうちに、以前不合格になった会社で、「この会社に入社したら、どうなりたいですか?」という質問に答えられなかったことを思い出しました。将来、どんな自分になりたいのか、社会でどんな貢献をしたいのか、未来の自分を描くことの大切さに気付いてからだんだんと自分の言葉で伝えることができるようになりました。たくさん練習をしたことで、面接の本番はリラックスした気持ちで臨むことができたと思います。

憧れのデザイナーとしてはたらく

現在、私は、学生時代から憧れていた広告制作会社のデザイナーとして仕事ができています。今は先輩デザイナーの仕事を手伝うことが中心ですが、店頭デザインやポスターのような実践的な知識を身につけることができるなど、すごくやりがいがありますし、小さいころから「なりたかった」という職業ではたらけていることがとても幸せです。障害に対する配慮についても、一緒にはたらく周りの方々にも恵まれていると感じています。また、在宅勤務をすることも多いのですが、静かな場所の方が集中できるときもありますし、オフィスに行きたいときは自由に出社もできるので、このはたらき方にもとても満足しています。もっとスキルを磨いて、自分のクライアントを担当できるように成長したいです。

聴覚障害の方からのメッセージ聴覚障害の方からのメッセージ

メッセージ

就活では、「〇〇はできます」とポジティブなことも、はっきりアピールして自分らしさを出して欲しいと思います。私は就活の始めに不合格が続いてから、自信をなくし動けなくなりました。キャリアアドバイザーに「こんなにスキルがあるのに自信なさそうに見える」と言われてからは、自信を持つことの大切さに気付くことができました。就活は、限れた時間の中で進めなければなりません。一人で悩んでいる時間はもったいないので、就活に困ったら、プロと二人三脚で行う就活に相談してみるのも良いと思います。

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